正宗系観察日記

ウザい折伏を逆に伏せる(逆伏)ためのデータ記録

破戒の坊さん考・15

五人土籠御書という遺文がありますが、そこに見逃しそうな記述があります。

「せんあく(善悪)てご房をばつけさせ給。又しろうめ(四郎奴)か一人あらんするが、ふびん(不憫)に候へば申す」(五人土籠御書・真蹟|京都妙覚寺

文章の始めの「せんあく(善悪)」とは「とにかく」という当時の言葉だそうです。そして次の「てご房」とは「稚児の房」のこと。

つまり日蓮のそばに居て何かと御用を言いつけられる僧侶見習いということですが、もちろん今まで論じてきた「稚児」であることは間違い有りません。

世間的な意味は、たしかに乳児、幼児のことで、「ちのみご」という言葉が縮んだものと考えられ、6才くらいまでの幼児を意味しています。祇園祭などの稚児行列は世間的な意味での「お稚児さん」です。

しかし仏教各宗僧侶における「稚児」の意味は、単なる幼児とか、幼い僧侶という意味ではありません。
日蓮の遺文も叡山の文化の影響を承けていたとということです。この「てご房」は入牢した稚児(小僧)の房(日心と言われている)が但一人で親に離れて「一人あらんするが」ということから、幼い子供が松葉ヶ谷の草庵に残されているので、注意して労わるようとの配慮でしょうか。

この日心については諸説あってハッキリしませんが、日心は中老身延三世日進という説もあり、曽谷教信の次男という指摘もあります。
ともあれ、こういう遺文の端書きに英雄面ばかりが取り沙汰される日蓮のある断面が伺えたわけです。