正宗系観察日記

ウザい折伏を逆に伏せる(逆伏)ためのデータ記録

譲渡された居住権

いまでは大昔に寄進した人の殆どが絶家したり、残っていても修復を担うような裕福な家は殆ど無いでしょう。さてそこで、寄進された僧侶の跡を継いだ人は、そのような場合にお釈迦さんの時代にどう対処してたか、という問題です。

お釈迦さんの弟子の一人にラーフラという方がいました。(漢訳では羅睺羅といいラゴーラともいう)釈迦の実子ですが、この方にある長者が精舎を建てて寄進をいたしました。ラーフラは暫くそこに居ましたが、遊行の旅に出て当然精舎には誰もいなくなりました。
長者は何時帰ってくるかわからないラーフラを待つよりも、荒れ放題になることを恐れて僧団(サンガ)に寄付し直すことにしました。
ところがまもなくラーフラが旅から帰ってきて、住むところがなくなっている事にびっくりして、お釈迦さんに相談することにしました。(佐々木閑・律の話) 

問題としては一回目の寄進は個人でしたが、二回目の寄進は団体です。こういう場合はどこに修復権が移るのかということです。お釈迦さんは明解にこう言われました。

「施主が特定の人に布施したものを。あとで別の人や僧団に布施しなおした場合、初めの布施だけが有効であって、2番目の布施は無効になる。」

というものでした。つまり寄進した寺の権利はラーフラさんに残ったままなのです。これは今の日本仏教の場合は厄介ですね。団体であれ個人であれ、布施された権利は最初の人だそうです。さらにお釈迦さんは。

「土地は王に帰属する、建物及び建物内の備品は施主に属する、そして施主は建物が傷んだら自ら補修修理しなくてはならない」

ということになるのだそうです。末代永遠にこれをしなくてはならないとはちょっと現実的ではないですが、とりあえず施主の権限というのはかなり大変だったということは理解できます。
故に功徳も莫大ということなんですね。ただし並の覚悟ではできませんね。