正宗系観察日記

ウザい折伏を逆に伏せる(逆伏)ためのデータ記録

達磨大師の戒

中国で大事にされた戒にもイロイロありますが、臨済宗で重視されている達磨一心戒、あるいは無相心地戒(むそうしんちかい)と呼ばれる戒があります。 達磨大師が南岳慧思(なんがくえし)禅師に伝えた戒とされ、達磨大師相承一心戒文(だるまだいし、そうじょういっしんかいもん)という写本で伝わっているそうです。

自性霊妙(じしょうれいみょう)、常住の法に於いて、断滅(だんめつ)の見を生ぜざるを名づけて不殺生(ふせっしょう)戒となす。
自性霊妙、不可得の法に於いて、可得の見を生ぜざるを名づけて不偸盗(ふちゅうとう)戒となす。
自性霊妙、無着(むじゃく)の法に於いて、愛着の見を生ぜざるを名づけて不淫欲(ふいんよく)戒となす。
自性霊妙、不可説の法に於いて、可説の相を生ぜざるを名づけて不妄語(ふもうご)戒となす。
自性霊妙、本来清浄の法に於いて、無明を生ぜざるを名づけて不飲酒(ふおんじゅ)戒となす。
自性霊妙、無過患(むかかん)の法に於いて、罪過の相を生ぜざるを名づけて不説四衆過罪(ふせつししゅうかざい)戒となす。
自性霊妙、平等の法に於いて、自他の見を生ぜざるを名づけて不自讃毀他(ふじさんきた)戒となす。
自性霊妙、真如遍法界(しんにょへんほっかい)に於いて、一相の慳執(けんしつ)を生ぜざるを名づけて不慳貪(ふけんどん)戒となす。
自性霊妙、無我の法中(ほっちゅう)に於いて、実我を計らざるを名づけて不瞋心不受懺謝(ふしんしんふじゅざんしゃ)戒となす。
自性霊妙、一切法中に於いて、生仏(しょうぶつ。衆生と仏)の二見を生ぜざるを名づけて不謗三宝(ふぼうさんぼう)戒となす。(達磨大師相承一心戒文)

ざっと見ていただいて五戒が中心となっていて、あとは三宝や法義の中核を書いています。日蓮はこの達磨大師を以下のように批判しています。

法華経は真諦・俗諦・空仮中・印真言無為の理・十二大願・四十八願・一切諸経の所説の所詮の法門の大王なり、これ教をしれる者なり

而るを善無畏・金剛智・不空・法蔵・澄観・慈恩・嘉祥・南三・北七・曇鸞道綽・善導・達磨等の我が所立の依経を一代第一といえるは教をしらざる者なり」(顕謗法抄)

ということですが、この達磨大師天台宗二祖の南岳慧思(なんがくえし)禅師に戒を伝えたのです。この戒は天台大師にも引き継がれているのですが、それを「教をしらざる者」というのですから、伝法次第を理解してなかったんですね。