正宗系観察日記

ウザい折伏を逆に伏せる(逆伏)ためのデータ記録

禅天魔の根拠

日蓮禅宗批判は、ほぼ大日能忍を批判した天台宗のコピペです。「教外別伝」を旨とする禅宗に対して、旧仏教側は猛烈に反撃。

大日能忍の師伝の無いことを強烈に攻めています、これは当時の仏教としてはごく当然なこと、しかし日蓮はこの部分は触れていません。
特に叡山天台宗は禅僧・東厳慧安(とうがんえあん)が創建した正伝寺(正伝護国禅寺・京都一条今出川)を破却してしまうほどの過激さ。

文永9年には、叡山衆徒は禅宗興隆を憎み朝廷に奏上し、抑圧せんと画策しています。こういう動きに日蓮が歩調を合わせていたのは、念仏宗を叩いた時の南都六宗や叡山の動きと同じくしていた事と合致します。

その日蓮禅宗批判については叡山と同じ批判骨子の「教外別伝」や「直指人心・見性成仏」そして迦葉尊者一人が釈迦の極意を得たとする「拈華微笑」が中心の論詰です。

禅宗は梁の世に達磨大師、楞伽経等大乗の空の一分を以てせし也。其の学者等、大慢を成して教外別伝等と称し、一切経を蔑如するは天魔の所為也。(真言諸宗違目・文永9年)

この達磨大師天台宗の二祖に戒を教えた人であることは前回記しました。そして後々禅宗を「禅天魔」と侮蔑する根拠ですが、遺文ではこうあります。

又云く 禅宗天魔波旬説〔禅宗は天魔波旬の説〕と云云。此れ又日蓮が私の言に非ず。教外別伝と云云。仏の遺言に云く、我が経の外に正法有りといはば天魔の説なり云云。教外別伝之言、豈に此の科を脱れんや。(行敏訴状御会通)

この仏の遺言とあるので、涅槃経のことかなと思ってどれどれと調べてみました。天魔波旬とあるのは、以下のとおり

●衆生佛性亦復如是。一切論者天魔波旬 及諸人天所不能壞。

●衆生佛性亦復如是。一切論者天魔波旬及諸人天所不能壞。

●佛性亦復如是一切論者天魔波旬及諸人天所不能壞五陰之相

●所有方等大乘經典悉是天魔波旬所説

●畏沙門婆羅門外道邪見天魔波旬 (それぞれ大般涅槃經)

「天魔」だけなら他に44箇所ありますが、このまま該当は有りません。

涅槃経・邪正品第九に「若有隨順仏所説者。当知是等真我弟子。若有不隨仏所説者。是魔眷属。(若し仏の所説に随順する者あれば当に知るべし、是等は真の我が弟子なり。若し仏の所説に随はざる者あれば、是れ魔の眷属なり)」

という文があります。ちなみに天魔とは第六天魔王波旬という悪魔のことで仏道を妨げる存在だそうです。これとても一切経を蔑如するは天魔の所為」とか「我が経の外に正法有り」とかいう言葉は有りませんで、ちょっと加工がすぎるんでは。