正宗系観察日記

ウザい折伏を逆に伏せる(逆伏)ためのデータ記録

絶待の絶対の上。

前回は天台大師の絶対観をみましたが、釈迦仏に起点を持たせるために華厳の毘盧遮那仏阿弥陀如来など様々に現れた釈迦仏以外の如来をまとめる意味でああいう理論構築をしましたが、さらに上を行く考えが日本で出てきています。

景山堯雄氏の『中世法華仏教の展開』の書籍中に寄せられた論文に浅井円道氏が「本尊論の展開」と題してその研究を披露されています。その中に興味深い部分があります。

■これによれば無量寿命決定王如来とは法華経全体にわたる本尊であり、それは久遠本地における仏名であり、亦名を大日如来という如くである。(同書・二六三頁))

■不空訳と称される蓮華三昧経になると、中尊に無量寿命決定王如来を立て、この仏の宝冠の左右に釈迦・多宝二仏を安置し、この二仏はまた両界の大日如来でもあるというに至っている。(同書・二六六頁)

これは久遠実成のその前に仏が居たとする前提でその仏をこういう名前にしつらえることで、釈迦の法華経での我本行菩薩道からの成道もその修行の師匠も整理がつくとの考えですね。

これは法華経の釈迦を迹仏とし、中尊の題目をもって久遠の本仏とみなす日蓮教学の本尊観は、まったく無量寿命決定王如来を立てる台密の本尊観のパクリにすぎないということです。

妙法蓮華久遠実成如来ハ本来多宝塔中ニ湛然常住ス。其名ハ無量寿命決定王如来ナリ。(中略)宝塔東門ニ上行菩薩アリ。南門ニ無辺行菩薩アリ。西門ニ浄行菩薩アリ。北門ニ安立行菩薩アリ。是ノ四菩薩ハ四方四仏ナリ。是ノ故ニ四仏ノ印ヲ結ブ。

マタ宝塔東南ニ普賢菩薩アリ。西南ニ文殊師利菩薩アリ。西北ニ観世音菩薩アリ。東北ニ弥勒菩薩アリ」(同書・二六七頁に引用の法華観智儀軌)

これは不空訳の「法華観智儀軌」と「蓮華三昧経」を引用している箇所ですが、これまったく日蓮の文字曼荼羅の原型ですね。 

こうして天台の絶待の絶対はその上の存在が天台密教から現れて、さらにそれを平行踏襲した日蓮が並ぶというわけです。そしていつかまた、屋上屋を重ねる物が出てくるんでしょう。