正宗系観察日記

ウザい折伏を逆に伏せる(逆伏)ためのデータ記録

三昧境について:21

 中国で念仏行が瞑想に取り入れられた以外にもう一つ面白い現象は「気」の導入です。

「気」とは言うまでもなく老荘思想のタオイズム(気の思想)のことで、老子の思想「タオ(気)イズム」とは孔子孟子において、人間の呼吸の力のありさまや気力の形容に注意した学問であり医学です。

気の作用として『論語』に「気を屏(ひそ)めて息をせざる者に似る」とあって、呼吸をひそめたり、強くしたりすることが気の効用と考えられたようです。『孟子』には総計19の「気」が登場しますが、とくに次の3種の表現が注目されます。

「志は気の師(すい)なり、気は体の充(じゅう)なり」(公孫丑)。

「平旦の気、これを梏(こく)して反復すれば、その夜気は存するに足らず」(告子)。

「我は善(よ)く浩然(こうぜん)の気を養う」(公孫丑)。

タオイズムでは気が呼吸としての気息をあらわし、呼吸をする人間にはどこかで「血気」や「浩然の気」が出入りするのだということを説き、気は養うことも可能ではないかという着想です。

孟子の「志は気の師なり」老子の説く「無為自然に生きる」を実行するには、野生動物と同じように、体中に大自然の「気」がめぐり、心はいつも安らかで、体には元気があふれ、事故や災害から逃れると信じられたようです。

これを仏教の瞑想修行法に取り入れ、呼吸に合わせて身体の中を上下する
「気」を観察することが、仏教の入息出息法の観察だと、強引に結び付けられたようです。

中国仏教では老荘の「気の流れ」を業処として採用・観察される方法が登場し、純正仏教に加工が加わって、かなり歪みますが瞑想法だけでなくそれを肯定する偽経も制作されたようです。