正宗系観察日記

ウザい折伏を逆に伏せる(逆伏)ためのデータ記録

現世肯定のキモ

大乗仏典の花と言われる華厳経40巻本に「蓮華蔵世界」という言葉が出てきます。この世界は美しく巨大な蓮華の花に含蔵されているということです。

この思想はヒンドゥーイズムから来ている。ヒンドゥーイズムのもとになったのはバラモン教であるが、バラモン教では宇宙の最初に偉大な水がただよっていたと説く。

このように世界のはじめに水があるという思想は、わが国でも「古事記」の神話などに出てくるものであるが、その水の中にヴィシュヌ神が現れ、そのへそに千の花びらがある金色の蓮華が生じた、その中に梵天王が出現して世の中のあらゆる生類を産むにいたったというのである。 
このことは、仏典では『雑譬喩経』(ぞうひゆきょう)のなかに外道の思想として説かれている。
蓮華が母胎となってあらゆるものが生じたという思想で、「蓮華蔵」の「蔵」はガルバの訳で母胎の意味である。(中略)だから蓮華蔵世界の思想は、生存の究極の根底は蓮華の花のように、じつに美しいものであるという思想、すなわち現実肯定の思想なのである(現代語訳大乗仏典5巻・中村元氏)

大乗の現世肯定はヒンドゥー教の影響が大きことは各種文献研究で指摘されています。初期仏教では「この世は苦(一切皆苦であることが前提で「三法印」の「諸行無常印」「諸法無我印」「涅槃寂静印」のはずだったのですが、「一切の塵に仏国土あり」ということを説く蓮華蔵世界の「事事無碍(じじむげ)」思想となると、この世は苦ではなくなり現実の中に仏がいることとなり「従前の伝統的仏教に、公然と挑戦」(前出・中村元氏)となるようです。