正宗系観察日記

ウザい折伏を逆に伏せる(逆伏)ためのデータ記録

断食のご利益は見仏

さて、不浄な身を厭うて断食や苦行を行うのですが、結果として意識もうろうの中仏や高名な菩薩、不動明王などに会うようです。そういう記録が「法華験記」などに綴られています。

ここでの「見仏」とは、特に仏に限定せ ず、菩薩や善神、神祇、そして神僧など、通常の状態で見えることがない聖的、 霊的な対象に広げるもの(中略)第18話の蓮寂仙や第44話の陽勝上人は
「(一乗、『法華経』の力により)仏を見、法を聞くこと、心に自在を得たり」とされ、また蓮寂については慈尊に見えることが記されている。同じくまた第5話の相応和尚も慈尊に見えている。

先の懺悔に関わる儀礼との関連で言えば、第16話の六時に懺悔の方法を行う仁鏡は、文殊菩薩の乗り物である獅子、そして普賢菩薩の乗り物である白象が彼の元に常に訪れるとし、第18話の沙門は夢に神僧を見ている。

また第20話の蓮坊阿闍梨は夢に白象に乗った普賢菩薩と見え、 第53話の永慶法師は宿老の姿を現じた龍樹菩薩と見えている。(法華経と苦行と滅罪・荒井しのぶ氏)

これは後に叡山では塔中相承として釈迦から悟りを直授されたりするようで、日蓮もそういう幻想を告白しています。

■「此の血脈並に本尊の大事は日蓮嫡嫡座主伝法の書・塔中相承の稟承唯授一人の血脈なり、相構え相構え秘す可し秘す可し伝う可し、法華本門宗血脈相承畢んぬ。弘安五年(太歳壬年)十月十一日」(本因妙抄・偽書

■「釈迦佛は霊山より御手をのべて御頂をなでさせ給うらん」(松野殿女房御返事・真蹟なし)

■「既に上行菩薩・釈迦如来より妙法の智水を受けて末代悪世の枯槁の衆生に流れかよはし給う是れ智慧の義なり、釈尊より上行菩薩へ譲り与へ給う」(曾谷殿御返事・真蹟なし)

■「日蓮之己心相承秘法化答可顕他 所謂南無妙法蓮華経是也―今日蓮塔中相承南無妙法蓮華経七字末法時弘通日本国―当体蓮華相承等日蓮之己証法門等前前如書進委如修禅寺相伝日記天台宗奥義不可過之歟一心三観一念三千之極理不出二妙法蓮華経之一言」(十八円満抄・偽書)

■「此三大秘法は二千餘年の当初地涌千界の上首として日蓮慥に、自教主大覚世尊口決相承せし也」(三大秘法鈔・真蹟なし未決)

■「然るに此の妙法蓮華経の具徳をば仏の智慧にてもはかりがたく何に況や菩薩の智力に及ぶ可けんや、之に依つて大聖塔中偈の相伝に云く」(御講聞書・真偽未決)

■「虚空蔵に御祈請ありし時古僧示して言はく汝等が身を以つて本尊と為す可し(中略)釈迦古僧に値ひ奉つて塔中に直授せるなり貴し貴しと讃め被れたり」(御本尊七箇相承・偽書

こういう幻覚のようなものを悟りだとか、釈迦から直接教えを受けたとか日本の中世では頻発するのですが、そこは各門流の師匠が正式な悟りである印可を出すことで権威づけられたようです。

ちなみに日蓮はそういう人はいません、あくまでも経典から悟ったと自己申告しています。