正宗系観察日記

ウザい折伏を逆に伏せる(逆伏)ためのデータ記録

因縁譚の構造と思惑

法華験記や日本霊異記などに挿入される仏教説話の話の構成はほぼ以下のようです。

各話がその構造上どのような要素から構成されているかを見ると、

1:転生者とその傾向

2:転生者の生前の行業

3:転生後の状況

4:転生の真偽の確認

5:確執離後の周縁者の行業

6:そうして最後にそれぞれの話を批評総括する説話評語

仏教の因縁転生譚の各話がこれらの各要素を物差しとして、挿話を検証すると仏教側の信仰の導き以外にこれらを勧奨する為政者の国民管理の手際も窺い知れる。

サンプルを出してみると。

◎諾楽京馬庭の山寺の僧が臨終に際し、弟子に死後三年間は室の戸を開けるなと遺言。 死後七々日(四十九日)に室の戸口に毒蛇がいるのを見た弟子が戸を開けてみると、 中に銭三十貫が隠匿してあった。事情を察した弟子が師のために その銭で誦経(法華経)追善の法要を行なつたというもの。

近江国の御上の嶺の神社で修行中の僧・恵勝が、「我が為に経を読め」と告げられる夢を見る。
翌日、白猿が現われ、「我は東天竺国の大王」であるが生前「修行の僧の従者(ともびと)数千有り」 それでは『農業を怠る」からと修業僧の数を減らしたため、 「猿の身を受けて、此の社の神と成った」と話す。
そこでこの身をのがれるために 「わが為に法華経を読め」と乞われる。
また、 山階寺の憎満預が主催する 『六巻経』 の講読の仲間に入りたいと頼まれるが、 猿が言ったことを理由に満預に拒否される。怒った猿は寺を破壊、それを知った恵勝の奔走によって猿の願いが叶えられ、 以後破壊は止んだというもの。

それぞれ高貴な僧・国王といえども仏教に違背すれば畜生を身を得たりする、その苦の出離のために誰かに有り難いお経(法華経)を誦経されて苦の身からの開放を得た、という因縁譚です。

読む側からすれば、一定の法則に背けば後生は酷いことになる=国法に背けば酷いことになる、つまり遵法を強いる事を陰に陽に仕掛けてあるのですから、巧みですね。そこに法華経という滅罪の経典を挿入させてあることで説得力をもたせていると、いう構造ですね。