正宗系観察日記

ウザい折伏を逆に伏せる(逆伏)ためのデータ記録

因縁譚編者の基本的姿勢

民を掌握するために利用された仏教説話ですが、ちょっと為政者の思惑通りに説話を創作した悪業因縁譚の分類をしてみますと。

◎牛に生れたもの…………子の稲束を無断で使用して牛に生まれる

            寺の薪を流用して牛に生れた僧

            寺物を借用して返納しなかっために黒牛に生れた公卿

            寺の酒分の酒を借り返納しなかった為に牛に生れた公卿

◎毒蛇に生れたもの…………樫貪と金銭執着から蛇に生まれた僧侶

◎白猿に生れたもの…………修行僧の数を減らした罪で白猿に生れた大王

◎牛頭に生れたもの…………不正を働いて牛頭に生れた官女

◎王子に生れたもの…………浄行をなして予告して王子に再誕

 

こうした再生を貪瞋痴というキーワードで振り分けて、貪りに執着した悪業は死後、牛や蛇や猿さらに牛頭など畜生界に生れ変っている。なかでも牛に生れた者が最も多いのは、印度では聖獣ですが、日本では昼夜問わず過酷な労役に従事しなくてはいけないとイメージを植え付けるシンボルでしょうね。

執着心から蛇身に転生した話はよく知られた類型的なものだそうで、或いはハエになって執着した物に寄り添っていきたという話も残されています。

人間界に転生した両者は、相方とも浄行の僧であり、 皇子という尊貴な身分に生れた点で共通する。 このように、悪業のそれに較べ善業の例が少数なのは、いきおい教化善導を強く意識する編者の基本的姿勢によるものであろう。 ともかく転生には、善業者は再び人界に、悪業者は六道のうちの畜生界にという二つの道が展開されているといえる。(佐原作見氏・日本霊異記における転生譚の構造)

かなり意図的に編纂されていることがよくわかる論考ですね。日本仏教が政治と癒着して民をMCしてた証拠とも言えます。