正宗系観察日記

ウザい折伏を逆に伏せる(逆伏)ためのデータ記録

毘流離王の哀しみ

日蓮遺文にも釈迦一族のことは簡単に触れられています。

「はるり王と申せし王は阿闍世王にかたらはれ(騙らわれ)釈迦仏の御身したしき人数百人切りころす」(上野殿御返事・建治三年)

ここで日蓮さんは大間違いしています、釈迦族の滅亡は阿闍世王に騙られた事によるとなっていますが、これは伝承の違いというレベルではなく、全くの根拠の無い間違いです、日蓮さんはこういう風聞や噂レベルを書いて後世にその誤認を良く指摘されています。

毘流離王が釈迦一族に殺戮を思い至った正しい説話は『増一阿含経巻第二十六等見品第三十四』に詳説されていますが、一切経を読んだと言いながら、根本的に間違ったのは読んでいなかったという証拠ですね。

それはさておき、釈迦一族の滅亡を前に毘流離王へ、それまでの制止に拘らず四度目の出征となってしまったお釈迦様は『他人の因縁はどうする事も出来ない』と観念されたのか、目蓮尊者の申し出を断られ、ただ静かに坐禅されるばかりでした。

◎終わりゆく生命自体への未練として、悲しみ・怨みといった瞋恚の発動が避け難い。瞋恚の生じた心はそれ自体苦であり、後の苦の因でもあり、さらに他の悪行を引き起こす契機ともなって、衆生を苦の境涯に繋ぎ止める。衆生の自然である生命への愛執が、衆生を悪と苦の方向へと引き、留め置いている(柏木寧子氏・『今昔物語集』天竺部における釈迦仏ならびに衆生の理解)

柏木氏の解説は素晴らしいですね。毘流離王の動機は次回に記しましょう。