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正宗系観察日記

ウザい折伏を逆に伏せる(逆伏)ためのデータ記録

大石寺文化考:広宣流布ビジョン・7

理想社会として立正安国論「義農の世」法華経だけが流布した国の「ユートピア」と日蓮は残しましたが、これ実は当時の現実社会へのアンチテーゼで、法華経にも説いていない理想国家建設という馬の前に人参に等しい提唱でした。

幸福な楽園についてのファンタジーは、その舞台が創世直後の黄金時代(エデン)であれ、未来における救世主の到来(メシア信仰、弥勒信仰)であれ、死者を迎える天国(『エッダ』ヴァルハラ)であれ、また海の彼方(「アーサー王伝説」アヴァロン、蓬莱伝説)や深山幽谷陶淵明『桃花源記』)、あるいは別の惑星(ルキアノス『本当の話』)であれ、新しくもなければヨーロッパ文化圏固有でもない。極楽浄土もまた、「彼岸」であって生ける人間の赴くところではない。始源の楽園は過去に追いやられているし、救世主の到来は人間の意志でもたらされるわけではない。(ユートピアの歴史)

虚構の理想社会としての「ユートピア」による現実社会への批判をあざ笑い、「法華信仰」の枠を拡大することによって、現実の社会の問題を克服しようとした考えは、マルクス社会主義と非常によく似ています。マルクスも資本主義国家を否定して「ユートピア」の実現を説きました。

一つの宗教で国家と民衆が管理されるとなれば、これはマルクスの描いた共産主義国家に近い。事実マルクスキリスト教的終末論の影響を強く受けていました。

マルクスによれば、人類史の神話時代には原始共産制という「地上の楽園」が存在していた。しかし、キリスト教における原罪と楽園追放と同じように、人類は搾取と階級闘争の始まりとともにこの楽園を追われ、その後、古代奴隷制、中世封建制、近代資本制という各発展段階の階級社会を経て、最後に資本主義社会の破局という終末を迎える。そこで革命が起こり、人類は再び「地上の楽園」に至るというのであった。こうして、マルクス主義キリスト教の福音に対抗しながら、無神論的宗教としての福音を広め、伝道する政治的メシア(救世主)主義となっていったのである。(ユートピアの歴史)

日蓮の思い描いた広宣流布の理想的国家、仏国土の出現も具体性には乏しく、ただ中国の古典に記された「義農の世」を提示しただけで、本当にそんなものができるかどうかは責任放置の状態です。

で、さきのマルクスのその実現した社会はどうだったか。お隣の中国や北朝鮮を見れば、一党独裁で本質的に現代主流の自由 民主主義思想とは、相容れないところがあり権力集中・ 情報独占、言論・思想・表現の自由の欠如、いわゆる“思想の自由”を認めないのが理想的国家の出現です。崩壊したソ連もおおよそ自由な発言や表現が許される国家ではありませんでした。

その例を大石寺に見ますと1991年11月の創価学会破門通告書発送による日蓮正宗宗務院役員の記者会見の席で、藤本日潤総監が、居並ぶマスコミ報道陣を前に日蓮正宗の仏法は、民主主義となじまない」と発言しましたが、これは大石寺の理想国家を言い得た名言です。

一宗の法主が全民統制して思想管理までする国家の出現など誰が望むんでしょうか?日蓮教とマルクスの提唱した共産国家は驚くほどその政治的体制や民衆管理の方法が似ています。邪宗の撲滅や日蓮正宗以外の思想の廃絶、信徒の隷属化、官僚的僧侶のヒエラルキー構築はまさにマルクス主義と親和性が高いですね。